長期ビジョン・
中期経営計画(概要)

日本曹達グループ
長期ビジョン
「かがくで、かがやく。2030」
(2020年度~2029年度)

日本曹達のビジョン

日本曹達は1920年の創立以来、「化学」 を通じて新たな価値を世の中に提供し、社会の発展に貢献してまいりました。当社グループは、さまざまな化学製品・サービスをアグリカルチャー・ヘルスケア・環境・ICT分野に届けることで、人々の暮らしを支えてまいります。

日本曹達のミッション(価値創造プロセス)

新たな価値を化学の力で創造し、「社会への貢献」 を通じ 「企業価値の向上」 を実現する。

長期ビジョン 「かがくで、かがやく。 2030」

  • 高付加価値事業の拡大と不採算事業の整理を加速するとともに、徹底した経営の効率化を推し進め、事業環境の変化に強く、安定した収益を生み出す事業ポートフォリオへ変革する。
  • 成長投資と株主還元の両立を図りつつ、資本効率の向上を目指す。

長期ビジョンKPI「10年後にありたい姿」(2023年5月修正)

企業価値の向上に向けて、投資効率を重視した経営を目指す。

2030年3月期

ROS
(営業利益率)
10%以上 (2020年3月期 5.6%)
ROA
(営業利益÷総資産)
7%以上 (2020年3月期 3.8%)
ROE
(当期純利益÷自己資本)
12% (2020年3月期 4.8%)
↑2020年2月に策定・公表したKPI 「8%以上」を修正

基本戦略

ROIを重視した成長戦略と徹底した構造改革により、『高効率な事業構造に変革してゆく。~利益効率を二倍以上に~ 』

コスト競争力強化・効率化
  • 高付加価値事業の拡大と不採算事業の整理を進める
  • 徹底した効率化に取り組む(管理、研究、生産、販売、サプライチェーン)
海外事業の拡大
  • 既存事業の拡大と新製品・新規事業の市場開拓を推進する
    • 海外売上比率:2020年3月期実績 33.4%→ 2023年3月期実績 41.8%
  • 他社との連携を検討する
新製品の開発促進と新規事業への進出
  • 独自技術の深化・融合と外部技術導入のシナジーにより、中核技術の高度化を図り、積極的に資源を投入する
  • 2020年代の、そしてその先の顧客を見据えた新規事業を創出する

前中期経営計画
「かがくで、かがやく。StageI」 振り返り
(2020年度~2022年度)

高付加価値事業の拡大と事業ポートフォリオの見直しにより利益率が向上、
数値目標を大幅に超過。

キャッシュフロー創出力を高める製品・事業への積極的な投資を実行。
配当性向40%を達成し、大幅な増配を実施。

農薬の海外向け販売が想定を超えて伸長、為替レートが円安に推移し、
利益が上振れ。

数値目標と実績

  2020/3
実績
2021/3
実績
2022/3
実績
2023/3
実績
Stage I 目標
(2023/3)
長期ビジョンKPI
(2030/3)
当期純利益(億円) 67.6 73.6 126.8 166.9 70達成! -
設備投資(億円) 88.2 77.2 131.1 132.6(340.8 / 3年間) 300 / 3年間達成! -
株主還元
配当性向(%)
35.7% 43.1% 39.6% 40.1% 40%達成! -
株主還元
配当金(円)
80円 110円 180円 240円 下限80円達成! -
ROE(%) 4.8% 5.1% 8.4% 10.3% 5%達成! 8%以上※
ROS(%) 5.6% 7.2% 7.8% 9.8%   10%以上
ROA(営業利益
÷総資産)
3.8% 4.6% 5.0% 6.8%   7%以上

※ 上記の実績を踏まえ、2020年2月に策定した長期ビジョンにおけるROEの目標値(2030年3月期)を8%から12%に変更しました

連結業績

株主還元の推移

※2018年10月1日付で行った株式併合後のベースで算定

現中期経営計画
「かがくで、かがやく。Stage」 目標
(2023年度~2025年度)

「高効率な事業構造への変革の中核ステージ」 と位置づけ、
企業価値向上に向けた諸施策を遂行する。

基本目標

  • 高付加価値事業の拡大と、資産効率性を重視した構造改革と成長投資により、企業価値を向上させる。
  • 研究技術戦略の推進により中核技術を確立・高度化し、新規事業の創出を推進する。

資本政策

  • 財務の健全性に配慮しながら、成長投資と株主還元のバランスを重視した政策を積極的に実施する。
成長投資 キャッシュフロー創出力を高める製品・事業への投資を実行する
  • 新規事業や増産、及び維持更新の設備投資に3年間で400億円を使用する
  • 既存事業と周辺事業領域の強化・拡大を図るべく、事業提携・M&Aを推進する
資産効率の向上 投資効率を重視し、バランスシートを適切にコントロールする
  • 投資効率が劣後にある製品・事業の整理や、適切な投資リスク評価を徹底する
  • 政策保有株式の整理を継続的に実施する
株主還元方針
  • 総還元性向目標を50%以上とし、安定的な配当を継続する
  • 配当を補完する株主還元策として、自己株式取得を機動的に実施する

数値目標

  • 原燃料価格上昇などのコスト増加要因が顕在化するものの、各部門が効率性の継続的な改善を推進することで、StageIにおいて拡大した収益性を定着させ、Stage Ⅲにおける収益拡大に繋げる。
2026年3月期 数値目標
当期純利益 170億円 2023年3月期
166.9億円
(一過性要因※を除く当期純利益 154.2億円)
ROE 10% 2023年3月期
10.3%
(一過性要因※を除くROE9.5%)
設備投資 3年間で400億円を投資
(成長投資・維持更新投資)
株主還元 総還元性向50%以上、安定的な配当を継続
自己株式取得を機動的に実施

※ 持分法適用関連会社 IHARABRAS社における税還付認識(税引後影響額 12.7億円)
  為替想定:1ドル=130円、1ユーロ=140円

アクションプラン

ケミカルマテリアル
  • 成長著しいヘルスケア分野、ICT分野において、既存製品のさらなる拡販に向けた施策を実行する
    1. (1)ヘルスケア分野
      • 拡大する医薬品市場をターゲットに、医薬品添加剤「NISSO HPC」を拡販する
      • 新規添加剤の上市と添加剤周辺事業の拡充を推進する
    2. (2)ICT分野
      • 半導体フォトレジスト材料「VPポリマー」を拡販する
      • 電子材料向け機能性ポリマーの開発・拡販を推進する
  • 医薬品添加剤、機能性高分子などにおいて、周辺分野への展開を図る
  • 前中期計画StageIにおいて撤退した事業に代わる新規事業の創出を目指す
アグリビジネス
  • 新規自社開発農薬3剤(「ピシロック」「ダニオーテ」「ミギワ」)の拡販を推進する
    • 海外展開を推進、2026年までに3剤で100億円の売上を目指す
  • 既存製品の販売維持・拡大、及び収益性の向上に向けた施策を実行する
    • 適用拡大とジェネリック品対策を推進し、利益を最大化する
  • スマート農業、総合的病害・雑草管理(IPM)への対応を強化し、 農業関連周辺分野の戦略的拡大を図る
その他事業
  • 強みを活かした事業活動の推進により、グループ全体の企業価値を向上させる
  • グループ各社との連携強化により、グループ経営資源の有効活用を図る
研究開発・生産技術
  • 研究技術戦略 「Brilliance through Chemistry 2030」 を着実に遂行する
    • 中核技術の確立・高度化を図り、成長戦略の原動力とする
    • 長期ビジョンの最終年となる2030年までに新規事業を創出する
  • 開発中パイプライン農薬の本格開発への早期フェーズアップを図る。 ICT分野で新規材料の事業化を目指す
  • 製造プロセス知見・製造ノウハウのシナジー強化と作業の合理化・省力化の仕組みづくりにより、高効率な生産体制を構築する
環境への取り組み・人的資本の強化
  • 事業活動に伴う環境負荷を低減し、事業を継続的に発展させることで、サステナブルな社会の実現と企業価値の向上を目指す
    1. (1)気候変動への対応(GHG排出量を2025年度までに2013年度比20%以上削減、2030年度までに2013年度比30%以上削減を達成する)
    2. (2)廃棄物削減
  • 多様な価値観・強みを持つ人財一人ひとりが最大限に力を発揮できるよう、働きがいと誇りを持てる職場づくりに取り組む
    1. (1)人的資本経営ビジョン 「社員もかがやく」
      • 自律と成長を促し、能力を最大限発揮できる柔軟で効率的な働き方を通じて、価値創造と充実感を高める好循環を作り出す

長期ビジョン 「かがくで、かがやく。 2030」 との関係