価値創造を実現する
6つの資本
日本曹達グループは、創立以来、築き上げてきた経営資本により、新たな価値を創出してきました。
今後も各資本を強化し、持続的な成長を図ります。
財務資本

投資効率を重視した財務資本戦略
- ROIを重視した成長投資と徹底した構造改革により、事業環境の変化に強く、安定した収益を生み出す事業ポートフォリオへの変革を推進。
- 財務の健全性に配慮し、成長投資と株主還元のバランスを重視した資本政策を推進。
投資効率(ROI)を重視し、高付加価値事業への積極的な成長投資と、不採算事業の整理などの徹底した構造改革により、高効率な事業ポートフォリオへの変革を推進しています。
現中期経営計画では、1929年に生産を開始して以来、90年以上にわたって製品を供給してきたカセイカリ電解関連事業からの撤退を実施するとともに、新規自社開発農薬の上市や成長ドライバー製品の増産・拡販など、高付加価値事業への転換を進めています。また、現中期経営計画では配当性向40%を株主還元の数値目標としており、あわせて自己株式の取得を機動的に実施しています。
- ROS (売上高営業利益率) 10%以上
- ROA (総資産営業利益率) 7%以上
- ROE (自己資本当期純利益率) 12%以上
(長期ビジョンの最終年度(2030年3月期)目標)
製造資本

高度な技術・ノウハウを活用した
事業基盤の構築
- 市場のニーズを汲み取り、時代に即した製品を生み出し続けるための継続的な投資(例:医薬品添加剤「NISSO HPC」増産設備、新規自社開発農薬製造設備、新規機能性ポリマー供試設備 など)。
生産技術の研究や、製造プロセスの設計・改良、高度なプラントエンジニアリング技術を保有するグループ会社との連携により、製品の競争力強化を推進しています。
当社の主力工場である二本木工場・高岡工場において技術研究棟を開設し、実験設備や研究要員などの製造資本の統合により、生産技術に関わる知見やノウハウなどのシナジー強化と業務効率化を推進することで、新製品の上市・量産化への期間の短縮や、生産コストの低減によるコスト競争力の強化につなげるなど、高効率な製造拠点への変革を推進し、企業価値の向上を図っています。
- 設備投資額 400億円 (中期経営計画StageⅡの3年間)
知的資本

中核技術の高度化
- 農薬の合成技術や生物研究・安全性研究・製剤技術、ICT分野の高度化を支える高分子技術、効率的で安定した生産を支える生産技術が強み。
- オープンイノベーションやデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進により、中核技術の高度化を図る。
サステナブルな社会の実現に貢献する新規事業創出のターゲットとして、「食料(フードテック)「医療 」 (人・動物のヘルスケア)「先」端材料(次世代ICT材料・カーボンニュートラル)」という3つのドメインを設定し、自社技術の深化・自社技術の融合・先端技術の導入により価値創造を図っています。
産・学など外部機関とのオープンイノベーションや、顧客とともに開発を行う共創型研究施設の設立により、中核技術の高度化を推進しています。また、シードステージのマテリアルテックスタートアップへの資金提供を目的とした投資活動も実施しています。
- 特許保有件数 2,050件 (2023年3月期)※日本曹達単体
- 研究開発費 6.31百万円 (2023年3月期)
人的資本

「よい仕事をよい人がやる」精神の体現
- 困難な課題を一つひとつ解決する情熱が当社の価値創造の源泉であり、「よい仕事をよい人がやる」という精神は創立時から変わらない当社のDNA。
- 多様な強みを持つ人材が活躍し、能力を最大限に発揮できる職場づくりを推進。
従業員が働きがいをもって活躍できる職場づくりを推進し、各人のモチベーション向上や所属組織の活性化を図っています。また、性別や年齢、国籍、障がいの有無、新卒・キャリア採用に関係なく、多様な価値観を持った人材一人ひとりが能力を最大限に発揮し、持続的な発展につなげるダイバーシティ経営を推進しています。
次世代に向けた人材育成にも注力しており、体験・体感型の「日曹技能研修センター」を開設し、机上では得られない製造現場の技術・ノウハウの伝承や、安全かつ生産性の高い製造現場の運営ができる人材の育成にも取り組んでいます。
- 連結従業員数 2,418名 (2023年3月期)
- 平均勤続年数 19.8年 (2023年3月期)※日本曹達単体
- 有給休暇取得率 77.0% (2023年3月期)※日本曹達単体
社会・関係資本

海外事業の拡大と持続可能な調達
- 世界各国におけるパートナーシップの構築や、産・学との連携により、最先端かつニッチトップの技術イノベーションを創出。
- 国際社会の一員として、環境や社会に配慮した持続可能なサプライチェーンの構築を目指す。
海外事業の展開では、農業化学品事業において、海外拠点の現地スタッフと連携して各地域の市場動向を把握しているほか、医薬品添加剤事業においては、需要が拡大している欧米やインドなどの事業拠点に技術スタッフなどを配置するとともに、世界各国の産・学研究機関と連携した共同研究や、お客様とのオープンイノベーション施設を活用したテクニカルサービスの拡充を推進しています。
また、原材料の調達にあたっては、サステナビリティの観点から取引先へのモニタリングを実施し、社会・環境に配慮したサプライチェーンの構築に取り組んでいます。
- 海外売上比率 41.8% (2023年3月期)
自然資本

環境に配慮した持続可能な事業活動
- 環境・安全・健康に配慮した取り組みを行うレスポンシブル・ケア(RC)活動を基盤とした事業活動の推進。
- 製造過程やサプライチェーンにおける環境リスクの最小化を推進するとともに、温室効果ガスの削減にも注力。
当社グループは、化学製品の開発から製造・物流・使用・最終消費を経て廃棄・リサイクルに至るすべての過程において、環境影響を最小にすることを目指すRC活動に取り組んでいます。製造プロセスや設備を省資源・省エネルギーになるものに置き換えて環境負荷の低減を図るほか、国際社会の課題である温室効果ガスの排出量削減にも取り組んでいます。
また、次世代エネルギー源として注目される水素関連技術の開発や、二酸化炭素の吸収源である森林の保全を図るなど、脱炭素社会の実現に向けた取り組みを推進しています。
- エネルギー使用量 (原油換算) 95.2千KL (2023年3月期)※日本曹達単体
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水使用量
17.3百万t
(2023年3月期)
※日本曹達の国内4工場