保安防災・BCP
日本曹達グループは、安全で安定した生産活動の継続と製品・サービスの安定供給が事業活動の基本と考えており、保安防災活動を推進しています。また、万が一の災害など緊急事態においても迅速に復旧し、生産活動を再開できるよう、BCP(事業継続計画)の継続的改善に取り組み、安定供給に向けた体制を強化しています。
- 各製造事業場にて、設備の定期点検、修理更新工事、操業オペレーター教育を実施。
- 事故や災害を想定した訓練・教育を継続し、危機管理体制を強化。
- 設備の新設、改良工事の際には、社内専門家による安全性の検証を実施。外部専門家による定期的な防災診断も受審。
- 大地震などの自然災害をはじめ、甚大な被害をもたらす危機が発生した場合を想定し、BCPの定期的な見直しと改善を実施。
保安防災
リスク管理
保安防災リスクアセスメント | 設備・機械、製造プロセスの保安防災リスクアセスメントによるリスク評価を行っています。抽出された課題に優先順位をつけ、設備保全や点検などの対策を順次実施しています。 |
---|---|
危機管理体制の整備 | 事故や災害を未然に防止することを最優先としています。一方、万が一の事故や災害など、緊急時に備えた危機管理体制を整えており、定期的な訓練などで整備状況を確認しています。 |
緊急対応への行動基準 | 災害や事故の発生時に、迅速かつ適切に連絡、処置、指揮を行えるように行動基準を定め、定期的に見直して改定を行うとともに、訓練でその効果を確認しています。 |
第三者による防災診断
日本曹達ならびに製造系グループ会社は、SOMPOリスクマネジメント(株)の防災診断を受審しています(2021年度は新型コロナウイルス感染防止のため、中止しました)。
安全管理
プラントの安全を確認する安全監査
設備の新設、改良工事などにおいてプロセス上の安全を確保するため、責任者および社内専門家による安全審査・監査を行い、安全・環境・品質などの側面からの設備や操業内容の検証を行っています。
製造系グループ会社の設備については、RC定期監査において製造設備の管理状況を監査し、保安防災の改善活動につなげています。
本社試運転前安全監査の実施状況
千葉工場 2021年7月7日
SBS中実験/中量産設備工事試運転前安全監査
書類、現場監査の結果、32件の指摘事項に関して全項目の対策を行い、試運転を終了しました。
防災教育と訓練
従業員の安全確保のための知識、スキル習得を目的に、さまざまな保安防災教育、訓練を実施しています。今後も「重大設備災害ゼロ」を目標に、さらなるレベル向上を目指した保安防災活動を推進していきます。
集合研修
各事業場、各部署ではCSR活動計画に従い、定期的な教育・訓練を継続的に実施しています。また、製造事業場に配属される製造職新入社員に対しては、新入社員教育として製造系研修プログラムを実施。安全面や基本的現場作業に関する体験教育を含めた教育訓練を行っています。
なお、2021年度は、新型コロナウイルス感染防止のため、期間・対象者を調整し、限定的に実施しました。
- 2021年 7月19日~29日 :高岡工場(予行演習) 参加人数 17名
- 2021年 8月18日~24日(感染状況を考慮し一時中断)
10月 4日~10日 :高岡工場(初年度研修) 参加人数 6名 - 2021年10月19日~28日 :高岡工場(2年目研修) 参加人数 5名
- 2021年11月15日~19日 :二本木工場(初年度研修) 参加人数 6名
- 2021年12月 6日~10日 :二本木工場(2年目研修(1)) 参加人数 4名
- 2021年12月13日~17日 :二本木工場(2年目研修(2)) 参加人数 5名
地域と一体になった防災体制
日本曹達の各事業場では、定期的な防災訓練の中で、近隣の工場や自治体と一体になって共同防災訓練を行っています。地域ごとに異なる環境や実態に合わせた災害状況を想定することで、現実に即した内容で防災訓練を実施しています。

総合防災訓練
(千葉工場・千葉リサーチセンター、2021年5月21日)

春季防災訓練
(二本木工場、2021年6月22日)

環境異常対処訓練
(高岡工場、2021年10月13日)

高岡消防による操法教育
(高岡工場、2021年10月29日)

秋季防災訓練
(二本木工場、2021年11月19日)

総合防災訓練
(千葉工場・千葉リサーチセンター、2021年11月25日)

工場内合同防災訓練
(水島工場、2021年12月2日)

海上共同防災協議会緊急通報訓練
(千葉工場、2022年1月14日)

有害物(HCN)漏洩対処訓練
(水島工場、2022年2月16日)

総合防災訓練
(千葉工場・千葉リサーチセンター、2022年2月17日)

工場総合防災訓練
(高岡工場、2022年6月8日)
防災訓練実施状況(2021年度)
上期(実施日時) | 下期(実施日時) | |||
---|---|---|---|---|
日程 | 内容 | 日程 | 内容 | |
二本木工場 | 2021年6月22日 | 春季工場防災訓練 | 2021年11月19日 | 秋季防災訓練 |
高岡工場 | 2021年4月22日 | 緊急連絡訓練(おつたえ君) | 2021年10月13日 | 環境異常対処訓練 |
2021年6月8日 | 春季工場総合防災訓練 | 2021年10月18日 | 緊急連絡訓練(おつたえ君) | |
2021年8月24~27日 | 夜間通報訓練(有機2、製剤) | 2021年10月19~26日 | 駆付消防訓練 | |
毎月 | 119番通報連絡訓練 | 2021年10月22日 | 高圧ガス地域防災事業所緊急連絡訓練 | |
2021年10月26日 | 液塩タンクローリー緊急通報訓練 | |||
2021年10月29日 | 高岡消防による操法教育 | |||
2021年11月9日 | 自衛消防隊員研修 | |||
2021年12月15日 | 緊急連絡訓練(おつたえ君) | |||
2021年12月22日 | 北酸高圧緊急対応訓練 | |||
2022年3月9~17日 | 駆付消防訓練 | |||
2022年3月22日 | 夜間通報訓練 | |||
毎月 | 119番通報連絡訓練 | |||
水島工場 | 2021年5月16日 | おつたえ君通報訓練 | 2021年10月13日 | 製品輸送時の事故処置訓練(図上訓練) |
2021年7月16日 | おつたえ君通報訓練 | 2021年11月16日 | おつたえ君通報訓練 | |
2021年7月16日 | 実停電訓練 | 2021年12月2日 | 工場内合同防災訓練 | |
2021年7月27日 | 有害物(NaOH)漏洩時の対処訓練 | 2022年1月16日 | おつたえ君通報訓練 | |
2021年9月16日 | おつたえ君通報訓練 | 2022年2月16日 | 有害物(HCN)漏洩対処訓練 | |
2022年3月16日 | おつたえ君通報訓練 | |||
千葉工場 | 2021年4月26日 | おつたえ君通報訓練 | 2021年10月12日 | 【南甲子】通報訓練 |
2021年5月21日 |
工場総合防災訓練 (合同事業所発災想定) |
2021年10月13日 | おつたえ君通報訓練 | |
2021年8月3日 | おつたえ君通報訓練 | 2021年10月25日 | 市原市公開防災訓練(中止) | |
2021年8月24日 | 石油コンビナート予知対応訓練 | 2021年11月12日 | 環境異常対処訓練 | |
2021年8月26日 | 夜間休日想定防災訓練 | 2021年11月25日 |
工場総合防災訓練 (合同事業所発災想定) |
|
2022年1月14日 | 海上共同防災協議会緊急通報訓練 | |||
2022年2月17日 | 工場総合防災訓練(共同防災合同訓練) | |||
2022年3月11日 | 避難訓練(他社有毒ガス漏洩想定) | |||
小田原研究所 | 2021年11月4日 | 防災訓練(磐梯地区) | ||
2021年11月5日 | 安否確認回答訓練 | |||
2021年11月5日 | 部署別防災訓練(小田原地区5部署) | |||
2021年11月5日 | 班別防災訓練(榛原地区5班) | |||
千葉リサーチセンター | 2021年4月26日 | 緊急通報訓練 | 2021年10月13日 | 緊急通報訓練(おつたえ君) |
2021年5月21日 | 総合防災訓練 | 2021年11月21日 | 緊急通報訓練(おつたえ君) | |
2021年8月3日 | 緊急通報訓練 | 2021年11月25日 | 総合防災訓練 | |
2021年8月26日 | 夜間想定防災訓練 | 2022年2月17日 | 総合防災訓練 | |
2021年9月 | 緊急避難(机上)訓練 | 2022年3月 | 緊急避難(机上)訓練 | |
本社 | 2021年12月 | 新大手町ビル総合防災訓練(中止) | ||
2022年1月25日 | 安否確認通報訓練 |
事故報告
三倉運輸株式会社 千葉営業所 納入先における無水硫酸漏洩事故
- 1.発生日時:2021年7月19日 午前9時頃
- 2.事故概要
日曹金属化学株式会社(以下、日曹金属化学)が製造・販売し、三和倉庫株式会社(以下、三和倉庫)の運輸部門である三倉運輸株式会社(以下、三倉運輸)がタンクローリー車で輸送する製品(安定化無水硫酸)において、タンクの一部破損により、納入したお客様の工場敷地内で漏洩し、同時にミストおよび異臭が発生しました。人的被害や敷地外の環境への影響はありませんでした。 - 3.原因
無水硫酸の漏洩は、経年による腐食で、タンクの一部が破損したことが原因でした。 - 4.再発防止策
- ①タンクコンテナの新規作製
タンクの材質などを見直し、腐食を生じ難い仕様のタンクを作製しました。 - ②リスクアセスメントの実施
リスクアセスメントを実施し、無水硫酸出荷作業から納入作業全般のリスク低減を図ります。 - ③タンクコンテナの点検方法の見直し
新規作製および現有のタンクコンテナについて、点検方法の見直し、強化を行いました(タンク板厚検査実施(毎年)、当該箇所の点検口の設置、製品充填前の加圧検査実施など)。
日曹金属化学、三和倉庫、三倉運輸の3社間で緊急応援体制を再構築し、情報が迅速かつ的確に共有できるよう漏洩を想定した対応マニュアルを整備いたします。また、万が一の場合に的確に行動・処置などを行うことができるよう、漏洩を想定した対処訓練を年1回実施いたします。
BCP(事業継続計画)
BCP(事業継続計画)の基本的な考え方
大地震などの自然災害、あるいは当社事業場に甚大な被害をもたらす危機が発生した場合を想定し、地域住民と従業員、協力会社従業員、派遣従業員の安全確保を当社の社会的使命として、BCP(事業継続計画)の方針を次のように定めています。
- 1.従業員、協力会社従業員、派遣従業員とその家族の安否確認、安全確保ならびに、事業場のある地域住民の安全確保を最優先する。
- 2.社会・地域に貢献するという意識を全社で共有する。
- 3.被災した本社、工場、研究所、支店、営業所の保全を図る。
- 4.保全活動に携わる従業員、協力会社従業員、派遣従業員が自律的に行動することができる仕組みを構築する。
お客様の要求に応じた製品供給継続
日本曹達は、自然災害などの危機が発生した際、安全の確保と同時に、製品がお客様のご要望どおりに供給できることをBCPの目的としています。この目的達成のため、PDCAサイクルによる改善をスパイラルアップさせていきます。


1. 重大設備災害:目標 無災害 | 実績╳: 重大設備災害発生1件(グループ会社) グループ会社1件(ニッソーファイン磯原第一 排ガス燃焼炉ブロワー破損) |
---|---|
2. BCPの維持・改善 | 実績◎: 第11版配付、第12版策定 |
今後も引き続き「重大設備災害:無災害」を目標に安全管理、リスク管理、教育、防災訓練などを継続的に改善して行います。また、BCPは計画的に改善、見直しを行います。